今月の地理写真

フィジーの海の玄関口,スバ(Suva)港に停泊するクイーンエリザベス号

フィジーの海の玄関口,スバ(Suva)港に停泊するクイーンエリザベス号

フィジーの国際空港はフィジーの中心の島ビチ・レブ(Viti Levu)島の西側のナンディー(Nadi)にあるが,フィジーの海の玄関口はそこからおよそ180km離れた島の東にある首都スバの中心にあるスバ港である.この港は離島国家の物流を支えるコンテナ船のほか,日本も含むアジアからオーストラリアへ向かう大型客船の立ち寄り港となっている.筆者の滞在期間中にも写真のクイーンエリザベス号を始めとしたいくつものクルーズ船が寄港した.朝入港して,乗客は入国・下船し,わずか1日ではあるがフィジーを体感して夕方には出港する.市内のみやげ物店は売り上げ増の絶好の機会となる.


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フィジーの首都スバの魚市場
 フィジーは海洋国家なので魚を食べると思われがちだが,漁民やその集落の人はともかく,あまり食べることはない.スーパーに肉売り場はあっても魚売り場はない.それは,コールドチェーンの未整備とも大きく関係していると思われる.首都スバでは土曜のみ(一部の店舗は金曜から開く)に魚市場が開かれ,魚を求める人でにぎわう.炎天下の中,水を少しかけながら,生の魚を売っている.氷の入ったクーラーボックスにストックの魚を入れているが保冷は心もとない.鮮度のいい魚もありそうだが,筆者は目利きができないので,残念ながら購入はしなかった.

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フィジー観光の目玉,サンゴ州島のサイウシー・アイランド
 フィジーのメインアイランド,ビチ・レブ(Viti Levu)島の西側,国際空港のあるナンディー(Nadi)沖には小さな島々が並ぶ,山のある高島(こうとう)と小さく標高が海面ぎりぎりのサンゴの破片の堆積物でできたサンゴ州島からなる.これらの島々にはリゾート施設やホテルがつくられ,「南太平洋の島」として誰もが思い描くようなリゾート地が形成されている.写真はその中のサウスシー・アイランド(本当の名前は,Vunavadra Island)である.サウスシークルーズというリゾート会社が運営する島なので,そのような名前が付けられた.小さな塩水プール,バー,サウスシークルーズのコースに含まれているビュッフェランチ,シュノーケリングやスキューバダイビング,シーカヤックなどが楽しめる.一部基盤の岩盤が出ているがほとんどがサンゴや貝の破片の堆積物からなる.標高は1mそこそこなので,少しの海面上昇でも大きな影響を受ける.18年前にも訪れたが,わずかに侵食されて島が小さくなったようだ.

(2024年2月 島津撮影)

撮影場所

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