今月の地理写真

甑島のトンボロ

甑島のトンボロ

鹿児島県の西の東シナ海に浮かぶ甑島列島(薩摩川内市)は、南北に細長く上甑・中甑・下甑と連なっている。そのうち、上甑島北東部には、遠見山のある島を結ぶトンボロ(陸繋砂州)が形成されている。長さ約1.5km、最大幅約1km、最小幅約250m、高さ2.3mのトンボロ上に「里」とよばれる集落が立地しており、函館(北海道)や串本(和歌山県)と並んで、トンボロ上に集落されている日本でも珍しい地域である。

鹿児島本土からみて、甑島列島の玄関口である里集落は、集落南東部の「村西」「村東」のあたりにかつて城や武家屋敷があり、一方、トンボロ上にある「薗上」「薗中」「薗下」には庶民(漁民)が暮らしていたといわれている。現在でも「村西」「村東」のあたりには石垣をめぐらせた武家屋敷跡が残っている。

また、里集落の近くには、長さ約4km、幅約50mにわたって続く「長目の浜」とよばれる砂州があり、なまこ池、貝池などを海と仕切っている。甑島のビュースポットの一つとなっている。2015年3月に「甑島長目の浜及び潟湖群の植物群落」として国の天然記念物に指定されている。

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写真 数百メートルにわたる石垣(武家屋敷跡)

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写真 長さ約4kmにもおよぶ砂州(長目の浜)

(2015年9月 深瀬撮影)

撮影場所

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