今月の地理写真
「クラウス15号蒸気機関車」は日本に現存する最古の小型蒸気機関車である。1889(明治22)年、ドイツ・ミュンヘンのクラウス機関車製造所で製造され、九州鉄道が輸入し、いわゆる国鉄や旧東京横浜電鉄を経て、沼田町の留萌鉄道、明治鉱業昭和鉱業所で活躍してきた。炭鉱の閉山を機に沼田町に譲渡され、1970(昭和45)年から沼田町指定有形文化財として保存されている。2010年には準鉄道記念物に指定、2019年には日本遺産「炭鉄港」構成文化財となった。
地域にゆかりのある古い鉄道車両が価値を見出されて保存に至るまでのプロセスや、保存に関わる地域内外の組織や個人はどのように活動しているのか、という視点からの研究が、さらに増えても良いように思われる。鉄道ファンの学生の皆さん、卒業論文のテーマに如何でしょうか。
写真:クラウス15号蒸気機関車の由来(現地の説明版)
(2023年9月 山田撮影)