今月の地理写真
屋久島には固有の大型ほ乳動物,ヤクシカ,ヤクシマザルが生息している.ヤクシカはニホンジカの亜種であるが,ニホンジカの中ではもっとも体が小さい.屋久島には一周する道路があり,そのうち西海岸に沿った西部林道と呼ばれる1車線道路の周辺でほぼ必ずといっていいくらいヤクシカを見ることができる.常緑広葉樹林に暮らすヤクシカは,地面に落ちている葉や実などを食べる.ヤクシマザルが樹上で取った葉や実のうち,落としたり食べ散らかしたりしたものも食べており,ヤクシカとヤクシマザルは共生のような関係を構築していると考えられている.しかし,最近ではヤクシカの頭数が増え,樹木の食害も発生している.
(2022年3月7日 島津 弘撮影)