今月の地理写真
マレーシアのクアラルンプール郊外の様子にあるプランテーションで撮影したものです。中学社会,高校地理でお馴染みのアブラヤシでほぼ毎日使う日用品(洗剤など)の原材料ですが,なかなか実物や栽培されているところを見ることはありません。収穫作業はほぼ人力です。広大なプランテーションを人力で収穫していくために,労働コストをおさえることが課題となります。訪問したプランテーションでも,より所得水準の低い他国から移民労働力に頼っていることがわかりました。
「マレーシアのアブラヤシ」が成立する理由を考えていくためには,所得水準の国家間格差や国際的な労働力移動を労働者が国境を越えられる諸制度や地域統合の枠組みとの関わりから検討していくことが必要でしょう。なお,クアラルンプールは地理学的には「多核的都市圏」に類される都市で,都市圏の範囲は日本の都市圏と比べものにならないぐらい広いです。写真のプランテーションも,クアラルンプールの中心部からは50km以上も離れており,日本で感じられる郊外より「遠い」です。
柄の長い鎌で樹上に成る実を落としたところ
様々な品種のアブラヤシ
(2019年1月22日 吉田撮影)