今月の地理写真
おばんです。皆さんの地元に伝わっていたり、ご家庭で継承されていたりする郷土料理や郷土食材はありますか?
写真左側の「せんべい汁」は青森県八戸地方を中心に伝わる郷土料理で、関東住まいとなった我が家でも無事に食文化として継承されています。「せんべい汁」には鯖水煮缶を入れてもおいしいのですが、今回は味噌仕立て。北海道東川町「アートクラフトバウ工房」さんの箸置きで、自家製いくらの醤油漬けと岩手県遠野市の「どべっこ(どぶろくの南部弁)」とで頂きます。「せんべい汁」はすっかりB級グルメとしても有名になり、観光資源となりましたが、その一方で、南部せんべい製造業者さんの後継者不足問題が報じられています。
また、今回頂く「どべっこ」は、遠野市で捕まえた河童、遠野ふるさと公社さんの「河童の舞」。構造改革特別区域制度において2003(平成15)年に「日本のふるさと再生特区(通称:どぶろく特区)」に認定された遠野市では、いくつものどぶろく生産者さんのどべっこ飲み比べを楽しむことができます。はたまた秋の味覚「いくらの醤油漬け」は、秋鮭の不漁が続いているそうで、どうなりますやら…。
郷土料理や郷土食材の観光資源化、食文化の継承や伝播、方言と訛り、いわゆる「構造改革」やどぶろく特区などの効果検証、産地の形成や維持、魚種交代の問題まで、1回の夕食の中にもいろいろな地理学の題材がありますね。
…さてと。小難しいことは抜きにして、まんずいっぺぇやるべし。
(2023年10月 山田撮影)