今月の地理写真

長野県東御市・海野宿の歴史的景観

長野県東御市・海野宿の歴史的景観

長野県東御市に所在する重要伝統的建造物群保存地区「海野宿」を収めた一枚である.海野宿はかつて追分宿(現 長野県)から高田宿(現 新潟県)までを繋いだ北国街道の宿場であり,旅籠屋造の家屋が現在まで保存されている.宿場として用いられていた建物は明治時代以降には蚕室として転用され,宿場町廃止後の現地の養蚕・蚕種業を支えた.

海野宿は1987年には重要伝統的建造物群保存地区として選定され,現在まで行政による補助制度や住民団体による建物保存の指針を定めた「海野宿憲章」の策定などを通じて,歴史的景観の保存が行われている.現在はこれらを観光資源として活用しようとする動きも活発である.一方で,観光地化をめぐる現地住民の意識は様々であり,観光業に直接関わらない住民も含めた地域の発展が模索されている.

(2020年9月4日 川添撮影)

撮影場所

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