今月の地理写真
令和3年1月7~11日にかけて、北陸地方や東北地方では災害級の豪雪に見舞われた。とりわけ、新潟県上越市では9日午前1時までの24時間積雪量が観測史上最高の103センチを観測し、最深積雪が2mを超えるなど、1984(昭和59)年から1986(昭和61)年にかけての「3年豪雪」以来、36年ぶりの記録的豪雪となった。
市内の道路は幹線道路から優先的に除雪作業が始まったものの、細い路地の連なる住宅地では15日(金)まで除雪が進まなかったところもあるなど、市民生活に大きな影響が生じた。
冒頭の写真は1月28日の上越市高田地区の高田公園の風景で、下記の写真は1月24日の南本町3丁目の風景である。高田城址も雪に覆われ、南堀は雪捨て場として利用されていた。南本町は、北国街道に面している旧城下町南側の地区で、雁木が印象的な景観を醸し出しているが、雪下ろし後では雁木も見えないほどの雪に覆われた。南本町を含む高田地区では、1月23日から9年ぶりに「一斉雪下ろし」が行われた。一斉雪下ろしは高田地区の46町内のうち希望した36町内で道路を通行止めにして雁木や屋根の雪を道路に下ろす作業である。無事に27日までに排雪作業は完了したが、雪下ろしが必要な空き家の所有者と連絡がとれなかったりするケースがあるなど、都市中心部の空き家問題の深刻さが露呈した。
写真 一斉雪下ろし後の上越市高田地区南本町3丁目
(2021/1 横山撮影)