今月の地理写真
フィリピンの田畑では、水牛や馬が重要な労力である。
水牛は、もともとフィリピン由来の沼沢水牛が使役されていたが、20世紀初頭にサトウキビ畑での労力を目的としてカンボジアなどから多種の水牛が輸入されるようになった。現在では、それらとの交配種も包括して「Carabao」と呼称されるようになった。
ヒトの仕事のサポートにおいて、Carabaoは農地の整備を請け負う。田を耕起し、馬鍬をかけて農地をならす。一方、馬は主に運搬において活躍し、収穫物の市場への輸送を担う。ただし、農家が馬を所有していない場合には、Carabaoが運搬する。
1993年にルソン島中部のScience City of Munoz, Nueva Ecija ProvinceにPhilippine Carabao Centerが設立され、食肉・乳用利用が進められている。フィリピンの暑い日差しの中で楽しむCarabaoのアイスや牛乳は濃厚で格別である。
写真はルソン島中部、パンパンガ州に位置するAnageles City近郊で撮影した。
(2017/6 貝沼撮影)