今月の地理写真

ジャワ島東部ブロモ山火口縁に捧げられた供物

ジャワ島東部ブロモ山火口縁に捧げられた供物

 インドネシアを構成する島の一つジャワ島付近では、インド・オーストラリアプレートがスンダプレートの下に沈み込むことから、いくつもの火山がたびたび噴火している。スラバヤの南東約70kmに位置するブロモ火山は、山麓を含む火山体の直径が約60kmの成層火山である。2019年3月18日には小規模な噴火が発生して火山灰が降下し、歩くたびに細粒火山灰が舞い上がる。
 ブロモ山の山頂にある直径約8kmのTenggerカルデラの内側には、大小4つの火砕丘が鎮座する。火口底からは水蒸気などの火山ガスが少量噴出し、火口壁では火山灰に覆われた崖錐斜面が降雨によって表面流出し,ガリーが形成されている。
 火口縁には、ヒンドゥー教の祭壇が設けられており、白い布で包まれたガネーシャの前に、バナナやコメなどの食べ物が香とともに供えられていた。エーデルワイスやラベンダーのブーケを火口に投げ込むと願いが叶うらしい。
 数十年前の日本製四輪駆動車で訪れるツアーが人気で、カラフルなヒジャブを身に付けたムスリム女性も写真撮影を気軽に楽しんでいた。一方で、火山災害の危険性を知らせる案内がほとんどなかったことは、憂慮すべきことだろう。

(2019/7 小松撮影)

撮影場所

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