今月の地理写真
ボツワナ北部に位置するチョベ(Chobe)国立公園は、アフリカ大陸のなかでも野生動物が多く生息する国立公園として知られている。とくにアフリカゾウの生息数は多く、アフリカ大陸のなかでも最も生息密度が高いと言われている。ボツワナとナミビア、ジンバブウェ、ザンビアが接する国境沿いに位置している。この地域には狩猟採集民のサン(ブッシュマン)という人びとが暮らしていたが、国立公園となってから人の居住が制限された。写真中央を流れるチョベ川では、ボートサファリを楽しむことができる。
アフリカで植民地時代以降、自然保護を目的に設立された国立公園や自然保護区は、いまや観光の目玉となっている。公園内では、趣味を目的とした観光客によるスポーツハンティングが許されている地域もある。その一方で、もともとその土地に暮らしていた人びとが排除されたり、狩猟や農業、漁撈などの生業が制限されたりする例も多く、だれのための「自然保護」なのか、深く考える必要がある。
(2015/2 原将也撮影)