今月の地理写真
写真の円錐形の山体は、トンガリロ国立公園内にある、Ngauruhoe(ナウルホエ)火山で、標高は2287 mである。
少なくとも7000年以上前から活動し、最近では西暦1974~75年にも爆発的噴火をしている。その北側山腹には、トンガリロ・アルパイン・クロッシングと呼ばれる日帰りの登山コースがあり、多くのトレッキング客でにぎわっている。このコースからは、1974~75年噴火だけでなく1954、1949、1870年噴火の溶岩流なども見られる。コース中はおもに完新世の噴火による多数の火口地形、溶岩地形のほか、噴気帯なども見ることができる。
ニュージーランド北東のタウポ湖(タウポ・カルデラ)から北方は、Taupo Volcanic Zone(TVZ)と呼ばれる火山地帯である。トンガリロ火山群は、その南部に位置する。また、その北方のタウポ湖は観光地として知られているが、繰り返された大規模な爆発的噴火によって作られた大きなカルデラであり、その周囲には火砕流堆積物による、いわゆるシラス台地が形成されている。タウポから北方のロトルアにかけては多数の噴気地帯もあり、地熱も重要な資源となっている。
(2018/2/16 大石撮影)