今月の地理写真
2017年9月初旬、中央アジアのウズベキスタンにある仏教遺跡の周辺地理環境の調査のため、サマルカンドから陸路で、ウズベキスタン南端の、アフガニスタンとの国境の町テルメズに向かった。
今回は、サマルカンドから、テルメズの位置するスルハンダリア州の盆地に向かう、山脈越えのM39と呼ばれるルートを通った。このルートは,玄奘三蔵も通ったシルクロードの一部としても知られている。写真はGuzarからDekhkanabadに向かうルート上の小集落である。
この山脈は、天山山脈の西の端とも言える位置にあり、ウズベキスタン発行の地図帳によると、中生代ジュラ紀から白亜紀の堆積岩等の地質からなる。実際に沿線で観察すると、砂岩や、一部大理石化した石灰岩が見られる。また地質の向きや傾斜といった構造を反映した、ケスタ状の非対称の断面を持つ山地地形も見ることができる。この付近は乾燥帯の気候であり、9月初旬でも日中の最高気温はしばしば40℃を超える。7月には60℃近くになることもあるという。
(2017/9/5 大石撮影)