今月の地理写真
紀伊半島南部の古座川支流沿いに露出する、流紋岩質火砕岩の表面に穿たれたタフォニ地形。
風化した岩石の粒子は剥落しやすく、くぼみに沿って同心円状の亀裂が生じている。また表面には白色の塩類が析出していることから、塩類風化や乾湿風化の作用により形成されたと考えられる。写真左上の大きな穴を木材でふさいだ部分は庵となっており、かつては大小の木像仏が収められていたという。付近一帯ではこのような岩石や水に精霊が宿ると信じられてきた。1935(昭和10)年に国指定の天然記念物に指定された。
(2016/1 小松撮影)