今月の地理写真
極東ロシアの中心都市ハバロフスク(人口62万,2019年)は,成田空港からわずか3時間ほどの身近な外国である。ヨーロッパ的な街並みの中に,かつて日本人が居住していた時代(1880年代から1920年頃)の建物も残され,現地では日本料理も人気がある。モスクワやサンクトペテルブルクとはやや雰囲気が異なる「極東ロシア」の美しい都市である。
中国とロシアの国境を西方から流れてきたアムール川は,ハバロフスクで北へ流れを変え,間宮海峡(タタール海峡)に注ぐ。写真は,ニコライ・ムラヴィヨフ=アムールスキー記念公園から見たアムール川で,写真の左から右へ流れている。アムール川は中国では黒龍江(ヘイロンジアン)と呼ばれる。アムール川の両岸には泥炭地や湿原が多く,その名の通り,アムール川の水は黒っぽい色に見えた。
1月のハバロフスクの日平均気温−19.8℃と,かなり低温だが,8月の日平均気温は19.9℃(稚内・網走はともに19.6℃)にまで上昇する。河畔の遊歩道は,短い夏を楽しむ市民や観光客の姿が多く見られる。
筆者のホームページ,「極東ロシアへの旅(2019年8月)」はこちら。
(2019/8 山下撮影)