中学や高校では何百年もの地理学研究の結果を「学び」ます。大学では「そのような結果がどのようにして得られたのか」という研究のプロセスをフィールドワークや実習を含めて体験するとともに、テーマを自ら見つけ出し新たな発見を目指して「研究」します。地理は暗記科目と言われることもありますが、大学では暗記ではなく、自ら考える力をつけることに重点が置かれます。
フィールドワークは「南西諸島の地形と赤土流出問題」、「火山地域の湧水・温泉水質特性」、「身近な都市の暮らしと景観変遷」、「文化景観を読み解く」などのテーマに基づき、現地での調査や見学などを行います。
1年次では、はじめてのフィールドワークということもあり、地図の読み方、ルートマップの作成、フィールドノートの書き方、スケッチの仕方、写真の撮り方などの基礎的なスキルを身につけ、観察ポイントや調査法を学びます。それとともに、講義で得た知識や実習で習得した技能をフィールドとどのように結びつけるかを学びます。
2年次や3年次には、先生の指導の下で街並みを観察したり、気象や水質などを観測したりします。また、少人数のグループ単位で住民に対する聞き取り調査もします。
立正大学地理学科では、1・2・3年次にそれぞれフィールドワーク(現地実習)を行います。クラスを担当する教員の専門内容によって、フィールドワークのテーマや調査地が異なります。基本的には学生が希望するクラスを選択して履修します。このため、少人数教育が徹底されています。本人の関心が高いクラスで学ぶ学生もいる一方で、幅広い視野や多くの教員の考え方や地理学的見方を学ぶために学年ごとに様々なクラスを選択する学生もいます。このようにフィールドワークのクラス選択の際にも、個性を尊重し伸ばすことができるシステムになっています。また、フィールドワークは学生と教員が身近に接する機会にもなっています。
また、上に述べたフィールドワークは、全員が卒業までに受講すべき必修科目ですが、選択科目として海外を実習地とするフィールドワークも開講されます。これまでの行き先は、イングランドやアメリカ、台湾、ドイツなどとなっています。
各テーマに基づき北海道旭川市を北端に、秋田県横手盆地、長野県軽井沢町、京都市、大分県別府市・由布市、石垣島など、多くの地域を訪れています。また、2003年度以降には海外でのフィールドワークも行われ、イギリス、シアトル、台湾などを訪れています。
一方で、キャンパスのある熊谷市をはじめ、川越市、行田市、秩父市などの近隣地域でフィールドワークを行うクラスもあります。全般的な傾向として、1年次のフィールドワークは関東周辺で行う場合が多く、2・3年生のフィールドワークでは3泊4日が基本のため、遠方に出かける傾向があります。
ゼミとは演習形式で学生が主役となる授業のことで、大学の授業形態の特徴の一つです。地理学科では、2年生の後期、3年生の前期にフィールドワークと関連づけたゼミが開設されています。ゼミには必ずテーマが設定されており、テーマに関連する本の輪読や、調査の準備・分析とまとめ等を行います。打ち上げでの盛り上がりも楽しみの一つです。
資格取得に必要な科目の単位を取ることで中学校(社会、公民)、高校(地理歴史)の教員免許、図書館司書教諭、社会教育主事、博物館学芸員の資格を取ることができます。地理学科の特色を活かした資格としては測量士補、GIS学術士、地域調査士もあります。この他、卒業生が取得している資格として旅行業務取扱管理者(要受験)などがあります。
一般企業に勤める卒業生の他、旅行・観光、住宅・不動産、運輸・交通(鉄道等)および地図などの地理学科で学んだことを活かした職種に就職する卒業生も多いです。中・高の教員や市役所等の公務員になる卒業生もいます。また、大学院へ進学することもできます。大学院進学は立正大学大学院のほかが他大学大学院へも進学しています。最近では海外へ留学するケースも見られます。
実験実習料は、学生の皆さんが大学で専門的な勉強をするために必要な機材や地形図や統計書などの資料等の購入・管理にあてられます。また、GISなどの教育設備等や自然地理関連の実習で使用する観測機材などの購入、フィールドワークの費用の補助にも充てられます。
初年の学費については学部 大学学費一覧をご覧下さい。生活費は自宅から通う場合と大学周辺に住む場合とで大きく異なります。社会勉強も兼ねて授業の履修に差し障りのない範囲でアルバイトをしている学生も少なくありません。 また、大学周辺や熊谷市街には、ボリューム感たっぷりの食事が、リーズナブルな値段で味わえます。
立正大学熊谷キャンパスには「ユニデンス」という名前の学生寮があります。個室でインターネット環境も整っています。ランドリーや食堂も完備しています。詳細は ユニデンス(学生寮) をご覧下さい。 キャンパスと熊谷駅・森林公園駅との間には、バスが頻繁に運行されているので、外出にも便利です。
はじめにお聞きします。あなたの得意科目は何ですか。英語が得意、地理が得意、それとも面接で勝負ですか。入試では、自分の得意科目を最大限に利用できる試験制度を選んでください。
地理学科を受験できる入試としては、総合型選抜入試、学校推薦型選抜、大学入学共通テスト利用選抜入試、全学部一般選抜入試があります。総合型選抜入試を受けるためには、オープンキャンパス等で実施される説明会・相談会に出席する必要があります。地理を学ぶ意欲の高い人、自分をアピールしたい人は是非チェックしてください。詳細は入試情報をご覧ください。学校推薦型選抜には例年秋頃に実施される指定校制選抜推薦と公募制推薦選抜があります。指定校制推薦選抜の場合、7月頃に立正大学から指定校の通知が送られますので、まずはあなたの高校が地理学科の指定校推薦選抜の対象となっているかどうかを確認してください。残念ながら対象ではなかったり、学校推薦を受けられなかった場合には公募制推薦選抜にチャレンジしてみると良いでしょう。総合型選抜入試と同様、地理を学ぶ意欲の高い人はチェックしてください。ただし、公募制推薦選抜入試を受験する場合は、入試要項を見て自分に出願資格があるかどうかを確かめて下さい。 入試情報 もご覧下さい。
全学部一般選抜入試のうち2月試験(前期)は3日、4日、5日に行われます。2021年度入試において2月3日と4日は3教科受験のうち高得点2教科判定、2月5日は3教科受験3教科判定でした。2月試験(後期)・3月試験は3教科受験のうち高得点2教科で判定されますが、一部受験可能な科目が異なります。試験日程、試験科目などの詳細は入試要項または入試情報をご覧下さい。そのうえで得意な教科や試験日程・定員などを見て選ばれるとよいと思います。
このほか大学入学共通テストを利用した試験制度もあります。この試験は、大学入学共通テスト受験前に出願する「前期」と、共通テスト受験後に出願する「後期」とがあります。前期と後期で判定科目が異なりますので、入試情報をご覧下さい。
毎年地形図に関する問題が出題されています。地形図の読図、教科書や地図帳にある分布図やグラフや表の読み取りのトレーニングをしておくとよいでしょう。また地理Bから出題されますので、教科書に記述されていることを中心に,時事問題等にも目を向ける習慣を身につけ,世界で起きていることに関心を持つようにしてください。
地形図を使った問題や写真を使った問題が出題されています。地形図の読図(特に地形図から時代による地理的事象の変遷を読み取る)や写真から地理的事象(地理的なキーワード)を読み取るトレーニングをするとよいでしょう。また時事問題に関する新聞記事を読み小論文を書く問題も出題され,2021年度入試では上記2題から1題を選択して解答することになっていました。
はい、出願できます(大学入学共通テスト利用選抜)。1月に出願する前期と2~3月にも出願できる後期があります。出願するためには必要な科目数が決まっていますので、大学入学共通テストの受験科目選択時には注意して下さい。
秋から初冬にかけて(2021年度入試では12月)行われる特別選抜のうち専門高校(学科)・総合学科生徒対象選抜入学試験を受験することができます。なお、一般の公募制推薦選抜入試、一般選抜入試、大学入学共通テスト利用選抜入試も受験可能です。
詳しくは入試情報をご覧下さい。