大都市とその周辺部では、高度経済成長期以降に無秩序に市街化が進み、これにともない土地利用の混在、居住環境の悪化、公共投資効率の低下などが問題となってきました。また、かつての新興住宅地やニュータウンなどは建設から数十年を経て更新の時期を迎え、再編成・再開発が必要となっています。
一方、地方都市では1970年代頃からのモータリゼーションの進展により、車社会を前提とした都市づくり、都市の郊外化が進行し、公共施設・学校・病院・大型商業施設の郊外への立地が進み、都市中心部では中心商店街の衰退、空洞化が見られます。これらは都市全体の活力の低下へとつながり、都市そのものの存続の危機にまでなっています。
都市地理学は、このような問題を抱える都市地域を対象に地理学の立場から研究する学問です。都市の立地・形態・構造・機能などを明らかにすることを目的とする基礎的・理論的な研究や、都市問題解決のための、まちづくりのための応用的な研究とがあります。