水文学

地球上の水の量や水質、水の動きなどを扱う学問です。

豊かな湧水資源に密接した生活(黒部川扇状地)

地球上の水の量や水質、水の動きなどを扱う学問分野を水文学と呼びます。蒸発した水はやがて雲になり雨となって地表に降り注ぎます。地中に浸透した地下水は河川に流出し海に戻ります。このような水循環のメカニズムを知ることは、洪水や渇水などの災害や、乾燥地域における水不足、開発途上国での水質汚染など、水を取り巻く環境問題を解決する基礎となります。

たとえば、「地中への雨の浸透」を一つ取っても、驚くほど多様なパターンがあります。土壌・植生・岩石・地形・気候条件・地中の生物・土地利用や人間活動などの地域特性が複雑に絡み合うことが容易に想像できることでしょう。また、生活に欠かせない水は、生活様式や地域文化にも影響を及ぼします。単に理学的側面からだけではなく、人文社会学的観点を加えることで幅広い諸分野との接点も見えてくるのです。