GIS(地理情報システム)

コンピュータ上に地図情報やさまざまな付加情報を持たせたシステムを利用した学問です。

標高データから計算した谷の深さ(丹波山地)

GIS(Geographical Information System)とは地理情報システムの略です。コンピュータで作成したデジタル立体地図や統計分布図などをよく目にしますが、単に図を描くだけのツールではありません。たとえば、交通網上での最短距離の計算、土地利用や標高など複数の条件を満たす地域の抽出、建物や道路からの距離の計算など、様々な機能を組み合わせることにより、私たちが求める場所に関する情報を探し出せます。かつては手作業で膨大な時間をかけなければならなかった地域分析が、簡単かつ正確にできるようになってきました。

地理情報システムの整備活用を目的とした「地理空間情報活用推進基本法」が2007年5月に成立したことから、研究だけでなく実用面でのさらなる活用が期待されます。

学問としてのGISにはこれらの機能を活用するだけではなく、さらに進化したシステムを構築する目的もあります。時間変化の表現、地質や地下水など地下の情報の表現はまだGISはまだ不得意な部分です。洪水氾濫域の拡大や将来の都市計画などのシミュレーションをGIS上で展開する研究も現在進行中の課題です。それだけに日進月歩の世界といえるでしょう。

立正大学地理学科では、必要な科目の単位を履修すると、日本地理学会で認定されている「GIS学術士」という資格を取得できます。